キシュワード
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[第1部]
パルス国の万騎長。パルス歴代の武門の出で、二つの剣を使うことから「双刀将軍」(ターヒール)と呼ばれる。美髯を蓄えている。アルスラーンとは2羽の鷹が縁で個人的な親交もあった。アトロパテネの敗戦時は、僚友である万騎長バフマンとともに東方国境のペシャワール城塞の守護の任についており、難を逃れた。かつては西方国境の守護に当たっていたが、「生ける城壁」「双刀将軍キシュワードあるかぎりミスル軍はディジレ河を越えるあたわず」と呼ばれるほどの豪勇から、ミスル国が講和の条件として城砦を譲る代わりに彼を東方国境への異動をするよう要望したという逸話がある。戦場を離脱しペシャワール城塞に辿り着いたアルスラーンらを迎え入れ、ルシタニア軍追討に邁進する。アンドラゴラス三世復帰後は謹厳実直な性格から、主君への忠誠とアルスラーンへの好意の板ばさみとなり苦悩する。対ルシタニア戦ではルシタニアの双璧の1人ボードワン将軍を討ち取るなどの武勲を上げる。
[第2部]
クバードとダリューンと並び、大将軍(エーラーン)の候補とされたが、両雄がにべもなく辞退したことからアルスラーン王政下の大将軍に任じられる。第一次アトロパテネ会戦で戦死した万騎長マヌーチュルフの娘・ナスリーンと結婚し、息子アイヤールを授かる。大将軍になってからは前線で戦う機会が減ったが、エクバターナ地下に設けられた蛇王ザッハーク一党の神殿調査の際はダリューンを差し置いて調査に赴いている。
クバード
[第1部]
パルス国の万騎長の一人。31歳。左眼が一文字に潰れている。通称「ほら吹きクバード」。かなりの酒豪で、彼をしのぐ者はファランギースくらいであろうと言われる。豪放磊落で陽気な性格だが、部下や弱者に対しては気配りもよく、部下たちからの信頼も厚い。遠慮しない性格のため、アトロパテネ会戦時国王アンドラゴラス三世が戦場から離脱したのを見て「兵士を見捨てて逃げるような王に従う義理はない」と放言し、一時与力したヒルメスに対しては素顔を仮面で隠すことを痛烈に批判している。アトロパテネの敗戦後は軍を離脱し各地を放浪しており、紆余曲折を経てアルスラーン陣営に加わる。アンドラゴラス三世復帰後は主君に距離を置きつつも離脱したダリューンに代わり万騎長として王都奪還戦に参戦している。片目の傷は伝説上の怪物である「三頭竜(アジダハーカ)」と戦ったときの傷と言っている。
[第2部]
パルス国の万騎長。34歳。アトロパテネの敗戦から王都奪還までに生き残った万騎長の中では最年長だったが、候補だった大将軍の職を「柄じゃない」とあっさりキシュワードに譲った。ダリューンと共に大将軍格とされ、東方のペシャワール城に常駐する。「ギーヴ卿は美女好き、クバード卿は女好き」とされており、ファランギースにも好意を示す。「クバードの車輪戦法」と呼ばれる波状攻撃を得てとし、ペシャワールにおける魔軍襲来に際しては眷属をなぎ倒し、狂戦士イルテリシュに対してペシャワールは未来永劫渡さない、と宣言した。
トゥース
[第1部]
パルス国の武将。20代後半で銀貨(ドラフム)のような瞳を持つ。南方ザラの守備隊長の任に就いていたが、アルスラーンの檄を受けてペシャワール城に馳せ参じる。寡黙な男だが後方撹乱や護衛等の地味な任務も忠実にこなし、アルスラーンからも高い評価を受ける。ナバタイに伝わる鉄鎖術の達人で、多くの敵をこの鉄鎖で討ち取る。
[第2部]
パルス国の万騎長。寡黙かつ沈着冷静ながら亡き戦友バニパールの娘3人を妻に迎え、クバードをして「むっつりすけべ(ハーチムマイマイ)」と呆れさせる。ペシャワールにおける魔軍襲来に際して全治1ヶ月以上の深手を負う。なお、3人の妻を娶るまでの話はパルスの説話になったという。
イスファーン
[第1部]
パルス国の武将。20代前半。中背で引き締まった体、瞳は透き通った琥珀色。アトロパテネ会戦で捕虜になり、ルシタニアのエクバターナ攻略戦の際死亡した万騎長シャプールの異母弟で「狼に育てられた者(ファルハーディン)」と呼ばれる。アルスラーンの檄を受けてペシャワール城に馳せ参じる。均整の取れた肉体をもつ剽悍な戦士。兄譲りの真面目な性格で、本人に乞われてシャプールを射殺したギーヴにはその素行や言動に対する反感もあり、剣で斬りかかるなど激しい一面も見せた。
[第2部]
パルス国の統制官(ミフラーン。万騎長と千騎長の間の地位)。二匹の子狼「火星(バハーラム)」「土星(カイヴァーン)」を保護して自ら育てている。クバードとともにデマヴァント山の封鎖に赴く。その途中の魔物退治の逸話は後世に伝わり、俗謡にもなったという。ペシャワールにおける魔軍襲来に際しては狂戦士イルテリシュと刃を合わせ、彼をかばったバハーラムを目の前で斬殺された。エクバターナに戻る途中で、各地で問題を起こしている「旅の楽士」の噂を聞き、旧バダフシャーン地方へと単騎で赴く。
ザラーヴァント
[第1部]
パルス国の武将。20代前半。パルスでも有数の名門諸侯、オクサス領主ムンズィルの息子で、アルスラーンの檄を受けてペシャワール城に馳せ参じる。膂力に優れた大男。童顔を嫌ってか顎鬚を生やしている。参戦当初はシンドゥラ人であるジャスワントへの偏見も見られたが、一度は剣を交えたトゥラーン人ジムサとの交友を経て和解する。アンドラゴラス三世とアルスラーンとの確執の際、ジムサとともにペシャワール城より離脱し、アルスラーンに合流している。
[第2部]
パルス国の王都警備隊長。第二部になってから重く長大な鎚矛(メイス)を武器にしているようである。王都奪還に武勲を上げ、奪還後はルシタニア軍に破壊された水路の修復を効率的に行なうなど土木事業でも意外な能力を発揮した。エクバターナ都市計画における重要な職務をこなし、作業員らから親しまれ尊敬されている。アルスラーンの指示で無料の施療所を建設する際には実地で指揮を取った。なお、直接的な描写はないが、大食漢で酒好きのような雰囲気が散見される。
ジャスワント
[第1部]
シンドゥラ国ガーデーヴィ王子派の世襲宰相(ペーシュワー)マヘーンドラの部下。ガーデーヴィが王位継承をラジェンドラと争う中、アルスラーンに3度命を助けられる。ガーデーヴィが敗死したことで行き場を失うが、命の恩人でもあるアルスラーンに誘われて彼の陣営に加わる。以後は侍衛士としてアルスラーンの身辺警護の任に就く。復帰したアンドラゴラス三世によって、アルスラーンがパルス軍から追放されると、ダリューンらとともにペシャワールを離脱した。浅黒い肌を持ち、黒豹のような身のこなし。武勇と敏捷はギーウに匹敵し、その剣さばきはシンドゥラの太陽のように激烈であると評される。誠実で生真面目だが温厚な性質で、妓楼のシンドゥラ女に騙されて金を巻き上げられても、同郷の者の役に立てたと喜ぶ始末である。
[第2部]
パルス国の侍従武官で国王に即位したアルスラーンをエラムとともに護衛する。ギーヴらと共にチュルクへの使者となり、その後クバードとともにデマヴァント山の封鎖に赴くなど、アルスラーンの護衛の割に遠出する例も多い。パルス人ではないため蛇王ザッハークに対する恐怖心がなく、他の諸将が事あるごとに動揺するのを不審がる。
ジムサ
[第1部]
遊牧民族トゥラーン国の若き武将。丸顔で少年の面影が残る20歳前後の若武者で、馬上からの剣戟と毒を塗った吹き矢の名手。ザラーヴァントに瀕死の重傷を負わせた事もある。ナルサスの計略でトゥラーンより追われる立場となり、ペシャワール城に保護される。アンドラゴラス三世の復帰で処刑が決まったが、キシュワードの配慮とザラーヴァントの手引きでペシャワール城を離脱、アルスラーン陣営に合流する。ブルハーンという弟がいる。
[第2部]
パルス国の統制官。キシュワードの元でトゥラーン流の騎馬戦術をパルス軍に指導するほか、パルス北方に狼煙台を設置する案を提出するなど、戦略的視点を見せる事がある(このような戦略的視点の発言は、本作の中ではナルサス以外には少ない)。パルス北部国境の調査行に赴いた際、トゥラーンの「親王」イルテリシュが蛇王ザッハーク一派の手により復活したことを突き止め、アルスラーンに報告する。その際保護した少女を王都へ同行するが、名を尋ねようともせず「こまかいの(オフルール)」と呼び続けるほど無頓着な性質。パルス人ではないため蛇王ザッハークに対する恐怖心がない。
メルレイン
[第1部]
山賊を生業とするゾット族の族長ヘイルターシュの息子。19歳。父がヒルメスに殺害された後、敵討ちと消息不明になった妹アルフリードを探してパルスを放浪する。クバードとの出会いやアルフリードとの再会を経てアルスラーン陣営に与することになる。弓の扱いに優れ、「パルスで2番目の弓の名手」と自称する(後にギーヴとファランギースに出会ってこの売り文句を訂正する必要を認めた)。王都奪還においては、アルスラーンから授かった「ゾットの黒旗」を掲げるゾット族を率いて勇戦し、エクバターナに入城する。秀麗な顔立ちながら常に不機嫌な表情をしている(ように見える)ため誤解されやすく、愛嬌を落っことして生まれてきた、などと評されるが、本人は意識していない。ひよわいほどしとやかな女性が好み。
[第2部]
ゾット族の族長代理。22歳。父が妹であるアルフリードを族長に指名していたため、あくまでも自分は妹が戻るまでの代理というスタンスを崩さない。ナルサスの命でゾット族を率いてチュルクに潜入するなど、遊撃部隊として正規軍にはできない活動を担う。クバードと行動を共にすることが多い。デマヴァント山捜索隊に参加したときには、飛行する怪物たちの中にある籠に唯一気がつくなど、その視力のよさを見せる一面があった。
アルフリード
[第1部]
ゾット族の族長ヘイルターシュの娘でメルレインの妹。初登場時16歳。ナルサスに助けられたことが縁でアルスラーン陣営に参加、ナルサスに惚れ、妻になることを目標としている。騎馬民族であるパルス人らしく馬や弓の扱いにも長ける(ただし、「あたしの矢はときどき近眼に」なり、味方を射落としてしまう、とは本人の言)。陽気で気は強いが、同年代のルシタニア人エステルの面倒を見るなど情に厚い性格。ナルサスを挟んでエラムとは犬猿の仲。
[第2部]
ゾット族の女族長(のはず)でパルス国の巡検使。20歳。ナルサスとは未婚のままであるが、心が結びついているので形式はどうでもいい、と本人は納得しているらしい。幾分女性らしさを身につけたが、剣技や弓の腕も向上している。ファランギースと行動を共にする事が多く、オクサス地方への調査行にも同行する。
グラーゼ
[第1部]
パルス国の海上商人。30歳。日に焼けて逞しい容貌の海の男。南方ギランで武装商船「勝利」(ピールズィー)号を統率する実力者でパルス語、絹の国(セリカ)語を始めとして多言語(自称「挨拶ぐらいなら20ヶ国語でできる」)を話す。弁舌、情報分析にも優れる。海賊討伐が縁でアルスラーン陣営に参加し、王都奪還の際にはメルレインやザラーヴァントとともに大量の物資をエクバターナへ運び込み、難民を保護した。
[第2部]
ギランの総督代理。33歳。パルス海軍を率いる武将でもある。ナルサスの指示によって芸香(ヘンルーダ)をシンドゥラから大量に輸入し、半分をエクバターナ、残りをペシャワールに送り届ける任務に就いていたが、折しもペシャワールでは魔軍の攻撃を受けて必死の防戦中であり、彼と彼の部下たちはまたとない援軍となってたちまち形勢を逆転し、魔軍を撃退した。
エラム
[第1部]
解放奴隷だった両親の遺言でナルサスの侍童(レータク)となり、アルスラーンの請いでナルサスが山を降りる際も行動を共にする。14歳。ペシャワールへの逃走やシンドゥラ遠征、アルスラーンの追放、王都奪還に至る道程でアルスラーンと身分を越えた親交を深めていく。ナルサスを挟んでアルフリードとは犬猿の仲。
[第2部]
パルス国の侍衛長(ケシュタク)。17歳。ナルサスを師と仰ぎ、アルスラーンとは兄弟弟子となる。アルスラーンの側近として行動を共にし、お忍びにも同行する。ギーヴ、ジャスワントと共に使者としてチュルクへと赴く。「指図振りがナルサスに似てきた」とはダリューンの評。
パラフーダ
[第1部]
本名はドン・リカルドで、ルシタニアの騎士。30歳。騎士オラベリアの友人で、ギスカール公爵の命を受けた僚友に同行したものの、大地震に巻き込まれてデマヴァント山で行方不明となる。迷い込んだ地下で「恐ろしいもの」を見てしまい、髪も鬚も真っ白なる程の恐怖で記憶を失う。その後近くの村に保護され、白鬼(パラフーダ)と呼ばれていた。公正な性格で異教徒に対してもそれほど偏見を持たず、銀仮面一党と単身対峙するギーヴを見て思わず、多勢に無勢であり騎士道にもとる、助勢せずともよいのか?とオラベリアに問いかけた。大戦後はエステルと共にルシタニアへの帰路に着く。
[第2部]
騎士エステルの従者。33歳。ボダンに勝利してマルヤム国王となったギスカールにルシタニアへの帰国を促す陳情団にエステルと共に参加し、イラクリオンにて旧友オラベリアと再会する。彼の邸宅に滞在中、襲ってきた盗賊と乱闘になり、頭を殴られたことで記憶を取り戻すが、ギスカールの策略によってエステルやオラベリア邸に居合わせたパリザートと共にパルスへ逃亡する。ある人物の死に接して過去の自分を捨ててパルス人パラフーダとして生きよとのアルスラーンの命に、エステルに代わって仕えることを誓い、陣営に加わる。
主な王族
アンドラゴラス三世
[第1部]
第1部が始まった時点での第18代国王。王太子アルスラーンの父親で王妃はタハミーネ。44歳。剛勇無双の持ち主で歴戦の勇者。王位に就く前の大将軍時代にバダフシャーン公国を併合する。剣だけでなく鉄鎖術も巧みである。剛腹だがやや狭量な性格で、為政者としては武に偏り、内政面ではナルサスらの諫言を聞き入れず不正・腐敗を許すなど、君主としてあまり優秀とは言えない面もある。また、海上交易にもあまり興味を示さず、後にナルサスに乗じられる事となった。ルシタニアとの戦い「第一次アトロパテネの戦い」において、ルシタニアに敗北し虜囚となる。エクバターナ解放戦の折にイノケンティス7世とともに死亡。
[第2部]
修復された王墓に新たに埋葬されていたが、地行術(ガーダック)により遺体が盗まれる。
オスロエス五世
[第1部]
パルス第17代国王。アンドラゴラス三世の兄でヒルメスの父。第1部開始時点ですでに故人。
ゴタルゼス二世
[第1部]
パルス第16代国王。オスロエス五世とアンドラゴラス三世の父。第1部開始時点ですでに故人。内政・外交ともに優れた手腕を示し、「大王」と呼ばれたが、とにかく迷信深いという欠点もあった。彼が若かりし頃にある予言を受け、それを盲信してしまった事がパルス混乱のきっかけとなった。
武将・役人など
ザンデ
[第1部]
万騎長カーラーンの子。父カーラーンの死後はヒルメスの側近として活躍する。年齢は20歳くらいの剛力を誇る巨漢で、剣よりも棍棒や槌鋒(メイス)をよく使う。ヒルメスの正統性を心から信じ、絶対の忠誠を誓っている。斥候を用いて情報にも通じ、単なる膂力だけの男ではない事はヒルメスも認めている。
[第2部]
ヒルメスを探してミスルにたどり着き、黄金仮面の下で反アルスラーン派のパルス人を束ねてパルス人部隊の指揮官となる。しかし、黄金仮面がヒルメスの名を騙る偽者であると見破ったため、ミスル国王の命を受けた将軍マシニッサに追われる。最期はマシニッサに騙し打ち同然に討ち取られる。
カーラーン
[第1部]
アンドラゴラス三世の下での万騎長であったが、先王オスロエス五世の遺児であるヒルメスの正統性を信じてアンドラゴラス三世を裏切り、ルシタニアの侵略に協力した。ヒルメスの下で大将軍(エーラーン)を称するが、ナルサスの策略によっておびき出され、ダリューンと戦って落命する。ザンデという息子がいる。
ヴァフリーズ
[第1部]
第一次アトロパテネ会戦時点での大将軍(エーラーン)。ダリューンの伯父。アンドラゴラス三世の腹臣中の腹臣でありながら、アルスラーン、ダリューン、ナルサスにも理解を示す、懐の深い老将。アトロパテネ会戦に先立ち、甥のダリューンに対してアルスラーン個人への忠誠を誓わせる。第一次アトロパテネ会戦後に敗走するアンドラゴラス三世を庇うため手傷を負ったままに、ルシタニア軍の銀仮面(ヒルメス)に討たれる。
バフマン
[第1部]
アンドラゴラス三世の下での万騎長。大将軍ヴァフリーズとは戦友であり親友の間柄で歴戦の老将で、62歳の年齢は万騎長の中で最年長。髪も髭も灰色ではあるが、身体は老人とは思えないほどたくましい。かつてはヒルメスの教育係でもあったらしい。ルシタニアの侵攻時にはペシャワールにいたため、第一次アトロパテネ会戦には不参加。ヴァフリーズよりアルスラーン出生の秘密を知らされ思い悩む。ヒルメスがペシャワールに侵入して発見され、危機に陥った時、バフマンの思わぬひと言がヒルメスを救い、アルスラーンに衝撃を与える事になる。その後、アルスラーンと共にシンドゥラの王位継承戦役に参戦したが、ガーデーヴィの投げ槍に貫かれ、秘密を語らぬままに戦死する。
シャプール
[第1部]
アンドラゴラス三世の下での万騎長。イスファーンの異母兄。儀礼や形式、騎士道を重んじる人物。同じ万騎長のクバードとの不仲は有名で、列に並ぶ時には必ず両端に離れて立つと言われるほど。第一次アトロパテネ会戦でルシタニアの捕虜となる。エクバターナの城門前にて、ボダンによる拷問の最中にパルス軍によって殺されることを望み、ギーヴの放った矢によって射殺された。36歳。
サーム
[第1部]
アンドラゴラス三世の下での万騎長。怜悧で思慮深い人物。城砦の攻防に優れた手腕を有することから第一次アトロパテネ会戦には参加せず、王都エクバターナの守備の任についた。エクバターナ防衛戦で敗れて捕らえられた後、ヒルメスの配下となり参謀として活躍する。アルスラーンがエクバターナ入城を果たした直後、ザッハーク一党の手から宝剣ルクナバードを守る為に命を落とす。
ガルシャースフ
[第1部]
アンドラゴラス三世の下での万騎長。第一次アトロパテネ会戦には参加せず、王都エクバターナの守備の任についた。優れた武将だったが、同僚のサームと比べると即戦即決派で、また奴隷に対しては冷淡な態度をとった。エクバターナ防衛戦で勇戦するも戦死する。
マヌーチュルフ
[第1部]
アンドラゴラス三世の下での万騎長。第一次アトロパテネ会戦に参加し戦死する。50歳。馬術や刀術、弓術に優れ、攻城戦や野戦の指揮を得意とした。書の名人でもあり朗々たる美声の持ち主であった。ナスリーンという娘がいる。
ハイル、クルプ、クシャエータ
[第1部]
アンドラゴラス三世の下での万騎長。第一次アトロパテネ会戦に参加する。
ハイル(及びマヌーチュルフ)に関しては、ダリューンが戦場で出会ったシャプール配下の千騎長から戦死の証言を得たが、残る両名については消息が得られず、限りなく戦死に近い行方不明の扱いである。
ルーシャン
[第1部]
レイの領主。アルスラーンの檄を受けてペシャワール城に馳せ参じる。落ち着いた態度と貫禄のある体格で、髪も鬚も濃い灰色をしている。人望が厚く公正な人柄で貴族にも顔が広い。王太子アルスラーンによってナルサスに代わり、中書令(サトライプ)に任命された。
[第2部]
パルス国の宰相(フラマータール)で堅実に国王アルスラーンを支える。ただし、事あるごとに縁談を持ちかけるため、アルスラーンは閉口気味である。レイの領主時代に破綻しかけていた財政を安定化させ、相続争いを解決する。真面目な人物であるが、ギーヴのような不真面目な者に対しても寛容を示す。
フスラブ
[第1部]
アンドラゴラス三世の下での宰相を務める。武芸には全く素養の無い老人。エクバターナ落城の際に落ち延びようとするがルシタニア兵の馬蹄に踏み潰されて殺される。
ホディール
[第1部]
パルスの諸侯(シャフルダーラーン)の一人。ニームルーズ山中にあるカシャーンの城砦で、逃亡中のアルスラーン一行を迎え入れる。アルスラーンを傀儡とすることを企み彼の仲間を排疎しようとするも失敗し、ダリューンに返り討ちにされる。。
テオス
[第1部]
ナルサスの父でアンドラゴラス三世の旧友。ダイラム地方を領有していたパルスの諸侯。トゥラーン・チュルク・シンドゥラ連合軍がパルスへ侵攻した際の王命に応じて出兵する直前に、階段から足を滑らせて死亡した。
ムンズィル
[第1部]
オクサス地方を領有するパルスの諸侯。病のためアルスラーンの檄を受けてペシャワール城に馳せ参じることができないため、かわりに息子であるザラーヴァントをペシャワールへ遣わした。
[第2部]
甥であるナーマルドを溺愛し甘やかす。実は彼には秘密があり、ファランギース、アルフリードとギーヴの活躍で暴かれる事になる。
(赤鬚)シャガード
[第1部]
アルスラーンの檄を受けてペシャワール城に馳せ参じる。歩兵一万五千を率いる将軍となる。ギランのシャガードとは同名の別人。
[第2部]
バダフシャーン総督。宰相ルーシャンの旧知の人物で、年齢は50近くで赤い鬚をたくわえているため「赤鬚シャガード」と呼ばれる。名家の出ではあるが、実務に通じており穏健で人望も厚い。ルシタニアとの大戦での傷病兵を総督府で雇用するなど、執政官としてなかなかの手腕を誇る。パルスの民としてはめずらしく乗馬が下手な為、輿に乗って移動する。
ルッハーム
[第1部]
パルスの将軍。アルスラーンの檄を受けてペシャワール城に馳せ参じる。グラーゼの腹心であるルッハームとは同名の別人。
[第2部]
老齢ではなかったが、心臓の病で死去した。